3月15日(火)のESTゼミ化学は、いつもの座学と違い、実験でした。
酸化還元反応を利用して、銅板を用いて、まず銀白色に亜鉛めっきをほどこし、加熱によって表面を黄金色の黄銅または真鍮(しんちゅう)に変化させる。このときの色の変化から、金属を混ぜることによって元のそれぞれの金属とまったく異なった性質の合金にする実験です。銅板をヤスリで磨く作業からスタートし、銅板を塩化亜鉛水溶液に入れ、加熱することで、銀白色に変色。更にガスバーナーで炙ると、黄金色に変色しました。黄金色が浮かび上がったときには、実験室のそこここで歓声が上がりました。万年筆の先の黄金色や、金管楽器のあの黄金色などは、同じ原理が使われています。銅と亜鉛の合金である真鍮が身の回りで使われていることに生徒たちは納得が行ったようです。「現実的な学び」を重視するAEMコースならではの実験でした。
生徒の感想をいくつか・・・
今まで実験は、何から何まで細かく作業して少しの誤差も許さないようなものしかないのかと思っていたけれど、実験にも定量的なものと定性的なものがあると知った。実験は行うことだけが全てではなく、準備や片付け、行った後の考察などを通して学びを深めていくものであると気づき、改めてそのような場を提供してくださっている先生方への感謝をしなければならないと感じた。今回の実験では、真鍮ができるまでの過程やその原因を友人と協力して作業を進めながら学び、酸化還元反応に対する理解を深めることができた。金属を混ぜることによって元の金属と異なった合金に変化する様子を目で見て感じることができて、とても面白かったし、本当にまるで錬金術をしているような不思議な気持ちになった。実験で行ったことはやっぱり記憶に残りやすいし、そのことと今まで自分が培ってきた知識が繋がった瞬間はなんだか達成感を感じる。コロナ禍で実験を行うことが難しくなっている状況下でこのような経験ができていることを決して当たり前だと考えず、これからの学習に活かしていけるように自分で実験についてまとめたり、より深く掘り下げたりして、この経験を無駄にしないようにしたい。
まず今回の実験で一つミスがありました。銅から銀色へメッキしたあとの銅板を蒸留水が入っているビーカーではなく塩酸が入っているビーカーに入れてしまいました。あまり大きなミスではなく、実験も結果としては成功したのですが、似た溶液は量を変えるなり差をつけるべきだな、と思いました。しかし、その失敗から学べたこともあって、銀色の銅板を間違えて塩酸のビーカーに入れた時シュワシュワ泡が出ていて授業で学んだ亜鉛は塩酸に溶けるということをそのミスで実感できました。また、私の班の人が銅板を銀色から金色に変える時に、熱しすぎてしまって金色にならずに元の銅の色に戻っていました。先生からは金をやりすぎると黒色になると聞いていたので、なぜ銅の色に戻ったのか実験の時近くにいた先生に聞いてみたところ、銅の中に金の素材が入り込んだ、という旨の話を聞きました。そうなった原因はおそらく間違えて塩酸に入れてしまって溶けかけの状態だったからではないでしょうか。最後に、これまで金色や銀色の金属で安いものは表面だけ金銀が貼られてると思っていたのですが、それらも合金だったということを知ることが出来て良かったです。金色の指輪を私は持っていたのですがずっと使っていたら銅色になっていたのは合金だったのか、という気づきがあったのでそれと関連付けて忘れないようにしたいです。
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