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八千代松陰高等学校

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AEM2年 化学実験「アルコール・アルデヒドの反応」・「糖類の性質」・「タンパク質の性質」

投稿日2023/2/28
 

AEM化学授業では、有機化学の学習のまとめとして、「アルコール・アルデヒドの反応」・「糖類の性質」「タンパク質の性質」と題した実験を6時間かけて行いました。
座学で有機化学の化学反応を学びましたが、色や変化の様子などは実際見ないとわからないところが多くあります。2年間学んだので化学の面白さや不思議さを感じてもらおうと思い、実験を計画しました。最後の実験ということもありみな一生懸命取り組み、教科書などを見ながら班のみんなと相談して実験プリントを埋めていました。化学に対する興味がさらに沸いてくれることを願っています。

これから理系の大学に進む生徒は、多くの実験を大学で行うことでしょう。

化学の面白さを体験し、学びの糧にしてもらいたいと思います。

以下の文章は、2名の生徒の実験考察になります。

アルコール・アルデヒドの反応の実験では最初に試験管や温度計、ビーカーなどの必要な道具を揃えるとともにエタノールの用意もしました。駒込ピペットで適量の溶液を取る作業は何度やってもしっかり取れたか心配になり最初の方は何度もやり直してしまいましたが、しっかり取れたようで良かったです。ナトリウム片を入れた実験では水とナトリウムの反応と同様気泡が発生しましたが、水のときよりその発生の仕方は穏やかで最初から最後まであまり変化しませんでした。試験管内でナトリウム片が動いていることがありましたが、これは下面から生じた水素によるものだと思われます。反応後、別の試験管にためていた水素に火を近づけましたが、反応は起こりませんでした。恐らく空気を取り込もうと思って試験管の口を開けたり傾けたりした時間が長すぎたためだと考えられます。他の班も失敗しているところが多かったのでなかなか難しいと思いました。次に行ったアルコールの酸化反応の実験では留意しなくてはならない点が多く、少し不安に感じました。特に銅線が熱すぎて落としてしまわないかという点は以前、熱した試験管を落としてしまったこともあり、かなり心配していました。しかし、何事もなく無事実験を終えることができて良かったと思います。銅線も想像していたより熱くなく、エタノールに銅線を入れてしまうというトラブルもありませんでした。私はこの実験を2回やりました。1回目は銅線が酸化されたか判断が難しく、アセトアルデヒドの臭いもよくわかりませんでしたが、2回目は銅線を熱したときには赤から黒に、エタノールに近づけたときには先端部分が黒から赤にはっきりと変わったので反応が起こったことをしっかり確認できました。アセトアルデヒドの臭いは周囲のアルコールの臭いでわかったか怪しいですが、それらしい臭いはしたので良かったと思います。その次に行った銀鏡反応の実験ではアンモニアを使って酸化銀沈殿をジアンミン銀イオンに変えましたが、最後の方は少しずつ慎重に行う必要があり、少し大変でした。それでもこの操作はかなり上手くいったと思います。しかし、ホルマリンを2,3滴加える作業で加えたホルマリンの量が適切でなかったのか、それほどきれいな銀は析出しませんでした。かなり気をつけて実験を行っていたので少し残念ですが、ホルマリンを入れた直後からの色の変化を実際に見ることができて良い経験になりました。アルコール・アルデヒド関係の実験では最後となるフェーリング液の還元はとてもきれいでした。最初に取ったフェーリング液では濃青色をしていましたが、ホルマリンを加えて酸化銅()が生成する過程での色の変化は徐々に

 

赤色に近づいていきました。反応が終わった後少し放置しておくと下の方は赤く、上の方は濃青色になっていました。これは生成した酸化銅()が沈殿したためだと思われます。 デンプンを使った実験ではやることが多く、整理が少し大変でした。私は主にdの試験管を担当しました。dでは沸騰石を用いて加熱したので沸騰しているときの振動が手に伝わって少し面白かったです。加熱の反応は氷水や温湯に入れたときより色の変化が激しかったように思いました。dのフェーリング液を入れた方では濃青色から緑色に、その後茶色に変わり下の方には橙赤色の沈殿がありました。一方ヨウ素溶液を加えたときは黒紫色に反応しました。これは中途半端にデンプンが残り、反応してしまったためだと思われます。他の試験管の反応は大体予想通りでした。aでは反応せず、bではヨウ素溶液を加えてすぐに反応が見られました。加熱すると色が薄く、冷却すると濃くなったそうですが私はよく見ていなかったので気づくことができませんでした。調べてみたところヨウ素デンプン反応は温度が高くなると薄くなってしまうそうですが、勉強不足でそのことを知らず、特別注意を払っていなかったのが悔やまれます。試験管cでは唾液に含まれるアミラーゼによってデンプンが分解されました。これにフェーリング液を加えて加熱すると赤褐色になりました。この時細かい破片のようなものが試験管内を舞っていてきれいでした。ヨウ素液を加えたときには反応が怒らなったので分解はしっかり行われたとわかりました。 実験終了後、片付けに加わらせていただきました。どのように反応後の溶液を処理しているのか知ることができ、楽しかったです。先生から度々質問をされましたがどれも答えられず、自分の勉強不足を痛感しました。実験のときも正しい結果がわからないで友人に尋ねることが多かったので次の模試までに今までの範囲を復習する必要があると感じました。

まず、糖の性質について考える。グルコースを水に溶かし、この溶液にフェーリング液と沸騰石を加え熱すると赤色沈殿が生じた。グルコースは水溶液中でαーグルコース、鎖状構造、βーグルコースとして存在し、鎖状構造にはアルデヒドが含まれる。そのため、この実験ではフェーリング液中の銅()イオンが還元され、酸化銅()として沈殿を生じた。 次に、スクロースを水に溶かし、この溶液にフェーリング液を加えると溶液に変化は見られなかった。これは、スクロースはグルコースとフルクトースからなる二糖類であるが、それぞれ還元性を示す官能基同士で縮合しているため反応を示さなかった。次に、スクロースを水に溶かし、硫酸と沸騰石を加えて煮沸した。このことによりスクロースがグルコースとフルクトースに加水分解した。ショ糖を加水分解することを特に転化という。この溶液に炭酸ナトリウムを気体が発生しなくなるまで加え、塩基性としたあと、フェーリング液と沸騰石を加えて熱し反応を観察した。なぜ、塩基性にするのかというと、フェーリング液の反応は中性または塩基性でのみ起こるからである。溶液の変化としては赤色沈殿が生じた。これは加水分解によって生じたグルコースとフルクトースは還元性を持つ官能基を鎖状構造において持つため、フェーリング液の銅()イオンが還元され、酸化銅()となって沈殿を生じた。次に、タンパク質の性質について考える。 卵白に塩化ナトリウムを加え水に溶かした溶液をとする。タンパク質に少量の塩を加えるとタンパク質が水に溶ける。この現象を塩溶という。まず、に水酸化ナトリウムを加えて熱し、溶液が温まってき

 

たら濡らしたpH試験紙を試験管の口にかざした。すると、pH試験紙は緑色から青緑色に変化した。また、濃塩酸をつけたガラス棒を試験管の口に近づけると白煙が発生した。この白煙は塩化アンモニウムであり、このことから、発生した気体はアンモニアであることがわかる。この操作で窒素Nが検出できる。次に、この溶液を加えたあと、酢酸で中和し酢酸鉛()水溶液を加えた。すると褐色沈殿が見られた。この操作は硫黄Sの検出を目的とし、硫化鉛()の黒色沈殿が生じれば硫黄Sが存在すると言える。卵白には硫黄を含んだアミノ酸であるシスチンやメチオニンが含まれるため、黒色沈殿が生じるはずだが、実際には褐色沈殿が見られた。その原因として、実験では安全上窒素Nを検出したあと、溶液をある程度まで冷ましてから硫黄Sを検出する操作を行ったが、温度が低かったことから反応速度が下がり、十分な反応に至らなかったということが考えられる。そのため、酢酸鉛()水溶液を加えたあと再度熱する工程を加えると黒色沈殿を確認できると思う。次に、に水酸化ナトリウム水溶液と硫酸銅()水溶液を加えると溶液の色が無色から赤紫色溶液に変化した。この反応はビウレット反応と呼ばれ、赤紫色に呈色したことから、銅()イオンと錯イオンをつくるトリペプチド以上のポリペプチドが確認できる。また、に濃硝酸を加えると溶液が無色から黄色になりアンモニア水を加えると溶液が黄色から橙黄色に変化した。この反応はキサントプロテイン反応と呼ばれ、ベンゼン環がニトロ化することによってこのような呈色反応を示す。このことから卵白にはベンゼン環をもつアミノ酸が含まれていることがわかる。続いて、にニンヒドリン溶液を加え熱すると溶液の色が無色から紫色に変化した。この反応はニンヒドリン反応と呼ばれ、ペプチド結合していないアミノ基ーNH2と反応するため、アミノ酸とタンパク質の検出に用いられている。 次に、を熱したり、濃塩酸、エタノール、酢酸鉛()をそれぞれ加えたりしたときに白色沈殿が生じた。これはタンパク質の変性とよばれ、タンパク質の立体構造を保っている水素結合などの力は熱や薬品に弱いため、熱、酸(ここでは濃塩酸)、アルコール(ここではエタノール)、重金属イオン(ここでは鉛()イオン)などによって立体構造が変化して凝固する。 に硫酸ナトリウム飽和水溶液を少しずつ加えると1滴ずつ加えるごとに溶液にジェル状のようなものが見られたが、すぐに消えてしまった。は親水性のコロイド溶液のため多量の硫酸ナトリウムを加えると沈殿が生じる。親水コロイドに多量の電解質を加えると沈殿が生じる現象を塩析という。卵白は親水コロイドであるにも関わらず、沈殿が見られなかった原因として、ジェル状のようなものが見られすぐに消えたということから、まだ反応途中だったということが考えられる。その後試験管の半分くらいまで硫酸ナトリウム飽和水溶液を加え、操作を終了したが、続けて多量に加えていたら沈殿が確認できたかもしれない。また、卵白を6倍に薄めて水溶液としていることから、もう少し濃度の高い卵白水溶液を使用すると沈殿が期待できる。また、がコロイドということを確認するために、チンダル現象を調べるのも良いと思う。 最後に、綿(セルロース)を水に溶かした水溶液に濃塩酸、エタノール、酢酸鉛()をそれぞれ加えたときの反応として、濃塩酸、エタノールでは溶液に変化が見られなかったのに対し、酢酸鉛()水溶液を加えると、白色沈殿が生じた。溶液に変化が見られなかったことについて、綿はタンパク質ではないためタンパク質の変性は起こらない。酢酸鉛()を加えた際、白色沈殿が見られたことに関して、綿の化学式は[C6H7O2(OH)3]nと表されるため、鉛()イオンが水酸化物鉛()となって白色沈殿

 

を生じた可能性が考えられる。 今回の実験では溶液同士を混ぜて中和させたり、溶液を塩基性にしたりする時、なるべく過不足がないよう毎回試験管を振り反応を行き渡らせてから溶液を追加するということを行った。特に、炭酸ナトリウムを気体が発生しなくなるまで加え、溶液を塩基性にする工程において、前回の実験で炭酸ナトリウムを入れすぎた覚えがあったので注意しながら行った。それにより気体が発生しなくなるところで正確に工程を終わらせることができた。当たり前なことだが、今後の実験でも正確性を意識して実験を行っていきたい。

小さな試験管の中で色々な反応を見て、化学の不思議さや面白さに触れられたと思います。今後の理科の学習や将来の進路に一助になることを願っています。

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