信州大学から松島恒熙先生をお招きし、哲学対話を実践しました。哲学対話とは、設定した問いについて、みんなで意見を出し合って、考えを深めていくというものです。「世界の哲学者たち」の考え方などを紹介してもらいながら、90分間、存在論的・認識論的・価値論的に考えながら、時に真剣に、時に笑顔で、白熱した対話が繰り広げられました。
生徒の感想をいくつか・・・
今生きていることの捉え方とその目的が変わったように感じる。明日がくると言う根拠のない考え方のもと、惰性的に日々を過ごしていたが、ハイデガーの「人は常に死という可能性を秘めている」という考え方を知り、今までの自分がいかに日々の過ごし方への価値を見出せていなかったか痛感した。こう言った点を踏まえて、明日死ぬとまではいかずとも常に自分ができることを満喫したいと考えた。また自分はまだ時間が残されているという自覚でいたが、そういった認識のまま残された時間は減り続けていると考えると、なんてことない日々でも「せっかくなら」とつけるだけで特別な一日として過ごせると思った。こういった考え方は受験という終わりに向けた高校生活でも同様だと思った。そのため明日が受験当日だとしても、悔いの残らないような勉強の取り組み方をしていきたいと思う。
「今日、世界が終わるなら、何をするか」と言う質問に、自分の欲求を最大限盛り込んで、普段の生活では起こさないような行動をしようとしていた。それは、自分の日常が充実していないことを示している証拠であり、自分の日常に対して不満を抱えていることの証明になる。「生」=「死の可能性」であり、毎日夜になったときに、「今日だったら死んでも構わない」「満足だ」と思える日々を送っていく必要があると感じた。そのためには、当然、その日を充実させるためのスケジュールを組んでいく必要があるし、振り返る価値のある素晴らしい日にするための行動力を希求していきたい。
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