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八千代松陰高等学校

AEM1年 化学実験セミナー「お酒に強い・弱い? ALDH2 遺伝子の解析」

投稿日2024/3/14

今回は,かずさDNA研究所の研究員の方々にいらして頂き、遺伝子解析実験を行いました。

DNAは「人間の設計図」であると言われますが、今回は遺伝子解析を行うことによって,生徒それぞれがお酒に強いのか弱いのかについて調べました。

生徒たちはもちろん実際にお酒を飲んではいませんが、遺伝子解析によって自分の体の特徴を知ることができることに、大変驚いていました。

さらに,遺伝子の解析によって病気になりやすさ等も知ることができるそうです。

自分がどんな病気にかかりやすいかを知ることで、予防に役立てることもできます。

実験の合間にDNAに関して様々ご講義いただきましたが、科学技術の進歩による光と影の両面を知ることができました。

科学の進歩によって人類にもたらされる恩恵は多く期待されますが、これからの世界を創っていく人間として、倫理観も養っていかなくてはならないのだと感じました。

生徒の感想を紹介します。

<DNA講義に関する生徒の感想①>

ゲノム編集技術はさまざまなことに応用でき人間の思うようにできて良いように思えるが、一方で人間だけのために勝手に行って良いのかという考え方もできると教わった。メリットだけでなく、果たしてそれが本当に社会全体にとって利益をもたらすことなのかも考えることが大切だと思った。

<DNA講義に関する生徒の感想②>

人のDNA構造が解析されたのが思っていたのよりもずっと最近で、短い間にこんなにも遺伝子に関する技術が発達したことはすごいことだと思った。技術が進むに連れて恐ろしい犯罪が増えていくのは今日改めて実感して、怖くなった。法律やルールが定められているけど、、、。個人の利益のために使われて、他の人に害が及ぶのは悲しいことだと思った。ただ、病気が治せたりすることで、今までに救うことができなかったような人々のことも治せるようになることはとても価値のあることだと思った。危険や生物に害が及ぶことがないように慎重に扱うべき技術だと思った。

<DNA講義に関する生徒の感想③>

かずさDNA研究所がとても世界から注目されている偉大な研究所ということが分かりました。人の手でDNAを分析するのには膨大な労力と時間が必要ということを学び、それと同時に今のコンピューターの分析能力がとても高いことも学ぶことができました。遺伝子の組み換えの話にとても関心を持ち、これからどのようなところに応用されていくのかが楽しみになりましたが、少しでも使い方を誤ると犯罪や格差を生み出してしまう面では少し怖いと感じるところもありました。 お話の中で、生まれ持ったものはDNAで複製できるが、育つ過程で得る経験や感情はDNAには複製できない、と聞いてその経験や感情はDNAで表されないなら体のどこに保存されどのように可視化されるのかが気になりました。

<ALDH2遺伝子の解析実験に関する生徒の感想①>

DNAを取り出して、飲酒に対する強さを調べるとなると、すごく難しくて複雑な作業があるのだろうという漠然とした印象を持っていたので、今回実際にやってみて思っていたよりも簡単に実験ができると知ってとても驚きました。その中でも特に驚いたのは、マイクロリットルのような小さい単位でも簡単に取り出せるということです。なぜなら、私は、10ミリリットルを正確に量り取ることができたとしても、1000分の1の量の10マイクロリットルを正確に量り取ることは無理だろうと思っていたのですが、スポイトの仕組みになっていて簡単に扱えるマイクロピペットを用いることで、10ミリリットルを量り取るときのように簡単に実験を行うということが自分の想定と大きく違って印象に残ったからです。実験というとかなり堅くて”難しい”という印象だったので今回の実験を通して、前よりも身近に感じることができました。また、今回PCRのような技術も用いて実験したことで最先端というイメージの強いDNAに関しても前より身近に感じることができたし、自身の細胞やDNAを用いてお酒への耐性を調べたことで自分の体にも、もちろんDNAはあるんだなということを実感して、DNA関連の最新情報に対する興味も前より強くなりました。この度はこのように新しい発見をたくさんすることのできる出前講座をしてくださって、とても勉強になりました。今後はDNAに関するニュースなども積極的に見ていきたいです。今回の実験をさせてくださって、ありがとうございました。

<ALDH2遺伝子の解析実験に関する生徒の感想②>

今回の実験ではアルコールを分解する酵素を持っているか、持っていないのかを確認する実験ということで、以前保健の授業では簡単なテストを行ったことがあったのですが、その際にはあまり細かい結果についてはわからなかったので、とても興味深かったです。実際、実験を行なっていく中で、初めて使う器具も多く、最初は使い方がわからなかったけど、使っていくうちに覚えていくことができました。そして、チビタンのような精密機械を使うことができ、大変貴重な経験となりました。自分の実験結果としては、採取した細胞の量が少なかったことが原因で反応が見られなかったのですが、両親のアルコールに対する強さが遺伝するのであれば、父方が強い方で、母方が弱い方なので極端な結果が出るのではないかと推測しています。今回の実験を振り返って、アルコールに対する酵素の有無を調べるために色々な工程を踏む必要があることを身を以て体感し、意外にも大変だと感じたことに加え、ゲルグリーンのような危険な試薬を用いたことで、実験に対する緊張感を持つことができました。また、新型コロナウイルスの感染を調べるためのPCR検査はこのような過程のもと行われているのだと知ることができましたが、どのような仕組みで陽性か陰性かを判断するのかについては内容が難しくて理解することができなかったので、詳しく調べてみたいと感じました。今後の活動で、生物に関する実験にとどまらず、化学や物理の実験をする機会もあるかと思いますが、その際には今回の実験で得た慎重さと、冷静さをもって安全に行っていきたいと思います。

<ALDH2遺伝子の解析実験に関する生徒の感想③>

まず、今回は遠い中お越しいただきありがとうございました。最初、実験をする前に齋藤先生からのご説明ですごく時間のかかるもの、すごく貴重なものとご説明いただき、DNAについて勉強はしていたものの、いったい何をするんだろう。DNAってどんな実験なんだろう。と疑問に溢れたまま実験当日を迎え、3時間も長い実験を自分に出来るのかと少し不安な気持ちを持ちながら臨みました。いざ、実験となるとひとつひとつの作業は思ったよりも難しくなく、検体をとっていれて混ぜて移しての繰り返しで、意外とこんな簡単にできるものなんだという新たな発見になって私自身にとってすごく良い経験になりました。これが分からないと思った時は直ぐに親身に寄り添っていただき、すごく楽しく実験をすることができました。途中の説明でも自分が疑問に思ったことをなんでこうなるのか、どうしたらこうなるのかとご説明いただき、また、研究所では一体何をしているのかというお話までしていただいたことがすごく心に残っています。実際、研究所の方と接する機会はあまりなく、研究所って一体何をするところなんだろう。誰が何を決めてこういう研究をするって決めてるんだろうと思うことも少なくなく、そのためこの間は具体的にこういうことをして、こういう発見があった。もしこうならば将来的にどういうことが出来るのかまで話して頂き、研究ってただ単に研究するのではなく、将来何に繋げられるのかという発想まで学ぶことができて、すごくいい実験でした。ありがとうございました。

 

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