【鎮魂と成長】白球を追い、歴史を刻む——震災から15年、中学野球部が繋ぐ未来へのバトン
3月11日。春の足音が聞こえ始めた球場。
午後2時46分。練習の手を止め、ベンチ前に整列した中学1年生たちが、静かに目を閉じます。
■ 繰り返される「あの日」と、向き合うべき現実
今から15年前のこの時間。
当時もこの球場では、先輩たちが白球を追っていました。突如として牙を剥いた大地。
日本は、世界の陸地面積のわずか0.4%に過ぎない小国でありながら、世界の災害の約20%が集中する、類を見ない「災害大国」です。
私たちは、災害と共に生き、これまでも、これからも、この宿命と向き合い続けていかなければなりません。
黙祷の沈黙の中にあったのは、犠牲者への哀悼と、いつか必ず来る「その時」へ備える強い覚悟でした。
■ 2年生不在の期間が育んだ「自立」
この数日間、2年生は修学旅行のため不在でした。
1年生だけでの活動。当初は心細さも見え隠れしていましたが、彼らはこの期間、見違えるほどの変容を遂げました。
指示を待つのではなく、自ら考え、声を掛け合う。 誰かが苦しければ、誰かがカバーに入る。
先輩の背中に頼れない環境が、彼らの中に眠っていた「責任感」と「精神的な強さ」を呼び覚ましました。
■ 明日、全学年合流へ
明日、修学旅行を終えた2年生がグラウンドに戻ってきます。
一回り大きく成長した1年生と、新たな知見を得て帰ってくる2年生。
両者が合流したとき、このチームはさらなる高みへと進むでしょう。
野球を通じて、社会を知り、精神を研ぎ澄ます。
中学野球という学び場が、単なるスポーツの枠を超え、社会的かつ精神的に豊かな場所であることを、私たちはこれからも発信し続けます。
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