12月4日のAEMセミナーは、高1・2合同で、千葉工業大学出前講座「イグ・ノーベル賞の世界と無意識を考えるデザイン」について、千葉工大デザイン科学科教授松崎元先生に講演していただきました。松崎先生は2022年にイグ・ノーベル賞を受賞されています。イグノーベル賞(イグノーベルしょう、英: Ig Nobel Prize)とは「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられる賞です。詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220915-OYT1T50157/
前半は、イグ・ノーベル賞を受賞した論文「つまみの回転操作と指の使用本数」について、実験・仮説・検証・分析・探求・・・・、具体的に画像、データを使いながらお話いただきました。生徒たちは話に引き込まれ、話を聞きながら、手が架空のつまみを何度も回していました。松崎先生のお話が生徒の実感として理解された瞬間でした。
後半は、松崎先生がデザインして世に出ている作品について、説明していただきました。無印良品の枕・インデックスラベル・計量できる紙コップ・フリップフラップチェアなどなど。作品がどのように生み出されたのか、興味深い話が続きました。「デザインは仮説と検証」「『できますか』と問われたら『できます』と答えてから猛勉強する」「面白がることが何かを生み出す」という言葉が印象的でした。
生徒の感想をいくつか
・イグノーベル賞についての理解が深まったのはもちろん、身近なものからアイデアを得るということを学びました。そんなのどこで思いつくんだというアイデア(問い)が中学校で学んだ数学でもわかりやすく整理でき、解決していけることに感銘を受けました。視点を変えてみるなど工夫をしてみると意識化されるということもためになりました。
・デザインというものはもっと抽象的で才能がある人がぱっとデザインするものだと思っていましたが、実際は、グラフや平均と行った幾何学的なものが裏に隠されている、そしてそれは中学や高校で習うようなものが生かされているというのに面白さを感じました、また松崎さんのように、まずはやりますと言ったり図形を面白いと思ってデザインにチャレンジしていくという心の持ち方がとても大事だと思いました。挑戦は誰にでもでき、前向きに考えると気持ちも軽くなるので、今後そのような考えを自分の生活に取り入れていきたいです。
・今回の講演で、普段私達は無意識の中で暮らしているんだなと感じました。”鼻をつまむ”ということについて、私は無意識に2本指で鼻をつまむ動作を行いましたが、なんで2本指なんだろうと問われハッとしました。このように、普段の生活の中で自分は色々なことに無意識を発揮しているなと思いました。人によってはそんなこと考えても仕方ないよと言われる可能性もあることでも、私はそういうの面白いなぁと思うので色々なことに視点を向かせ、自分の興味を狭めないことが大事だなと思いました。とても楽しい1時間半でした。
・松崎さんの講演は、デザインをしたい、デザイナーになりたいというユメを持っていた自分にとって、とても刺激的で興味がつきない、楽しく驚きのある講演となりました。松崎さんのおかげで、普段使用しているものの形状は人類の工夫のたまものであると実感し、何気ないものでも刺激的な発見があるとともに、数学、物理とデザインの関連性と大切さに気づくきっかけとなりました。これからは、自分の趣味を探求するとともに、普段の勉学をじっくり噛み締めてやろうと思います。
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