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八千代松陰中学校

IGS 「人」を考える。 東京大学×DNP:STEAM教育 次世代ワークショップ

投稿日2025/8/3

デザイン思考でユニバーサルデザインを考えてみよう!

7月31日[木]から始まった次世代を育成するワークショップは、東京大学駒場キャンパスにあります生産技術研究所にてスタートしました。

千葉県、埼玉県、東京都など、関東近県から集合した高校1・2年生約20名が7月・8月・9月と3回にわたり、ユニバーサルデザインとは何だろうかという

テーマを元に議論を重ねながら、発表や発信を繰り返すセッションを進めてゆきます。

東京大学の学生さんや、教授陣、複数企業からのグロースアドバイザによる学びの伴走を経て、どのようなユニバーサルデザインを生み出してゆくのか、私達も楽しみでなりません。

今回本校からは、高校2年生4名が参加していますが、初日の活動からエンジン全開でした!

各グループのまとめや整理発表など、本校生徒たちが果敢に代表を務める姿が目立ち、初参加の緊張は何もないのかのように、各校の生徒たちやアドバイザの方々ともとても楽しそうに活動をしていました。

まだ、初日のみの活動ですが、これから先2回のワークショップも有意義なものとしてくれるはずです。

さらに成長した姿を見せてくれることを、私達もとても楽しみにしています!

彼らの振り返りを共有しますので、ぜひご一読ください!!

■社会との依存関係はいわゆる健常者と言われる区分の人たちの方が多く、一般的に言われる「障害者は他者との依存関係があっていきている」という言い方の違和感がわかった。障害を抱える方々のことを「障害者」と表記するのはその人たちに失礼という考えが一時期世間で騒がれていたことがあったと思うが、障害者が社会に何か障壁を抱えている人たちのことを指すなら、その人たちのことを「障害者」とすることは間違ったことではないのではないかと思った。障害者を障害者と呼ぶことが失礼にあたるのは、その人が障害者に対して「自身の身体に障害(disabilityの方)がある人のことを障害者という」という前時代的なイメージを持って接しているからなのではないだろうか。

□今回のワークショップは主に2つのセッションとグループワークを通して、当事者視点で考えるという形式で行われた。 その中で、熊谷教授のセッションが一番印象に残っている。 その内容を要約すると、障害とは社会的障害とその個人の障害(imparement)の間のズレであり、個人に宿るものではなく、社会に宿るものである。 また、社会は依存先の集合体であり、ユニバーサルデザインはすべての人たちが多様な依存先を確保できるようにするためのものであり、医療において医者とその患者の属性を合わせると、その診療の効果が上がる、という研究成果に代表されるように、多様性の確保は社会にとって必要である。 また、現代社会では他人への依存の度合いが低くなり、ある種の個人主義が進行する傾向にある。そのため、他人に依存することのできる環境を整えることの必要性もでてくる。 また、組織においても、失敗や意見を言ったりすることを推奨し、多様性を確保することが必要だ。 といった社会と依存の関係性に焦点を当てたものだった。 また、高橋先生のセッションでは共感を重視していて、実際に視界からの情報をなくして活動した。その中で、グッドリレーションシップ、つまり、思い込みをなくしてみんなにとって良い社会を作ろうということが語られていた。 また、他校の生徒や社会人のTAの方とのグループディスカッションでは、自分の考えだけでは出てこなかった意見や視点があって、改めて多様性を確保したり認め合うことが必要なのだなと感じられた。 今回のワークショップを通して、当事者からの体験や考えを聞いたことで、自分の思考の中にあった思い込みに気づかされた。今回の講義には論理的な面白さと共感があり、深みのある理論を楽しめた。 また機会があればこのような講義を受けてみたい。 あと2回の活動も自分らしく楽しみます。

◆最初はちゃんと話せるか分からずに緊張していたけど、すぐに打ち解けられた。最初の発表をできて緊張したけどすごく嬉しかった。自分を成長させられたと感じた。熊谷さん、高橋さん、松川さんのお話を聞いて自分の中の概念が変わって参加してよかったなと感じた。特に障害はどこに宿るのかというお話で障害は体の中にあるのではなくて社会などの体の外にあるのだというお話、「目が見えなくても自分でできることは全部やる」というお話がすごく印象に残ってとても感心した。またユニバーサルデザインのお話ではバリアフリーとの違いを学んだ。またユニバーサルデザインの定義の原則があることを初めて知って驚いた。このプログラムを通して自分もユニバーサルデザインを作っていきたいなと思った。

◇本日の活動では、障害をテーマにして2つのケースモデルから学習し、新たな価値観や知見を得ることができました。1つ目は、”障害”という考え方の変遷についてです。80年代以降、マジョリティーとマイノリティーの間にある障壁が障害であるとする社会モデルが普及したこと。本来、人間的であるということは依存をすることであり、依存先の集合体が社会であるとする考え方であるということ。 2つ目は、”良い関係”についてです。互いに作用することが良い関係性であるといい、相手に対する思い込みやバイアスを排除することが大切であるということ。人を頼り”依存する”ことが重要であるということを学習しました。 この活動を通して、人格者としての成長ができたのではないかと考えます。デザイン思考の根幹となるDesign”について理解が深まりました。

初回で、これだけ深みのある気づきに達する彼らの姿勢や意欲にも感服しますが、彼らの能力を否応なく引き出してくださる東京大学をはじめとするスタッフの方々にも感謝感激です。

ますます成長する、彼らIGS生徒たちの活躍を楽しみにしていてください!!

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